端午の節句と言えば、五月人形と柏餅が定番です。
いざ食べるとなると、柏餅の葉は食べるべきなのか、外すべきなのか、悩みます。
本来、食べるものなのか、捨てるものなのかと、葉の効果についてお知らせします。
柏餅とは、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんでカシワの葉などで包んだ和菓子です。
最近では丸めている物もあります。
端午の節句とは、5月5日のこと。
国民の祝日「こどもの日」になっています。
少ないながら旧暦や月遅れの6月5日に行う地域もあると言います。
柏の葉を使った柏餅は、徳川九代将軍家重から十代将軍家治の頃、江戸で生まれたと言う説があります。
柏の葉は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされる。
つまり、「柏」の字は本来、ヒノキ科の針葉樹「コノテガシワ」を指す漢字です。
ちなみに、コノテガシワとはこんな木と葉っぱです。
我々が知る柏餅の葉っぱとは全く違います。
我々が知る柏餅に使う葉は、ブナ科のカシワで、漢字は「槲」と書いて「かしわ」と読みます。
意味から考えるとヒノキ科の針葉樹である「柏(かしわ)」の葉を使っていたとも考えられます。
しかし、我々の知る「槲(かしわ)」は落葉樹なのですが、秋に葉が枯れてしまっても、翌年の春に新芽が芽吹くまで葉が落ちることがないのです。
柏餅の葉は、兜の形に似ていると言う記述のある文献も見つかっていることから、「柏(かしわ)」と書くけれど、我々のよく知っている「槲(かしわ)」の葉が使われていたと思われます。
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柏餅の葉を食べるかどうか判断するには、まず、葉っぱにどんな意味があるか知っておきましょう。
柏の葉(正確には、槲の葉)には、抗酸化作用があると言われています。
江戸時代にどれほどの効果が分かっていたかは不明ですが、最近の研究では気休め程度と言う結果もあります。
柏の葉が使われた理由の一つは、匂いがお餅につくと言うものがあります。
ゲン担ぎも一つですが、江戸時代はお餅に葉のにおいを付けると言う、香り付け方法がありました。
桜餅も元々は、葉の匂いをお餅に付けるために葉で巻かれたのが始まりです。
桜餅の方は、桜の葉がすぐに劣化してしまうので塩漬けしました。
その塩分と、あんこの甘みが良い具合に合って美味しいと言うことで、葉も食べるようになったと言う説があります。
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柏餅も同様に、お餅に臭いを付けられる目的で葉で巻いたと予想できます。
一方で、柏の葉は、枯れても木から落ちないように乾燥してパサパサになりません。
そのため、塩漬けされなかったので、あんこと合うと言うことは特にありません。
柏の葉は固く、食べていると餅の邪魔になります。
柏餅は葉を食べる意味はあまりありません。
「桜餅は葉も食べる」と言う考え方と混同しているのかもしれません。
結論として、「柏餅は葉を食べない」と言うことになります。
かしわの葉は、子孫繁栄を願ってと、香り付けのため、かしわの葉が使われるようになった。
そういう意味では、「柏(かしわ)」の葉がその意味を担ったものなのですが、「槲(かしわ)」の葉が使われています。
柏(かしわ)とは、ヒノキ科の針葉樹なので、葉は針のような形状です。
槲の方が香りがよかったから柏餅に使われるようになったのかもしれません。
一般的に、柏の葉は食べないことが多いようです。