【知らないと危険】「SPF豚」と「無菌豚」の同じものではなかった件
豚肉と言うと必ず加熱しないといけないという昔からのルールがあります。
一方で何時の頃からかトンカツなど断面を見るとまだ肉がほんのり赤いものが良いとされていたりします。
これは「無菌豚」を使っているからだと言われていたし、思われていたのですが、調べてみると事情は全く違います。
知らないと危険とも言えるのです。
豚肉には寄生虫がいる
豚の筋肉には人に感染する有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう:サナダムシのような寄生虫)の幼虫がいます。
サイトによっては「筋肉の中に寄生虫などいない」と言っていますが、実際は豚の場合筋肉組織内に寄生虫がいます。
また、内臓にも寄生虫がいます。
豚肉には菌がいる
豚肉にはいろいろな食中毒につながる菌があります。
カンピロバクター
鶏や豚肉の食中毒でも割と聞きます。
下痢、嘔吐、頭痛、激しい腹痛などの症状があります。
潜伏期間は2日~5日程度。
今日食べて感染したとしても、明後日から1週間程度してから発病します。
1週間程度様子を見て問題なければ大丈夫でしょう。
肉の温度を75度以上で1分間加熱することで死滅します。
サルモネラ菌
これも鶏の卵、豚肉の食中毒の原因として割とよく聞きます。
38度以上の高熱が続き、水溶性の下痢と激しい腹痛が主な症状です。
血便が出ることもあります。抵抗力が低い子供や年寄りは死亡する可能性もあります。
サルモネラ菌の潜伏期間は12時間~48時間程度とカンピロバクターよりも短いです。
今日食べたら今日から明後日には発病することになります。
エルシニア菌
エルシニア腸炎などエルシニア感染症の原因です。
豚のほかに、牛、羊、ウマ、犬、猫、モルモットなどのほ乳類、カエル、魚類などから検出されます。
鳥類からはあまり検出されません。
豚のうち20%程度が保有していると言われています。
頭痛、激しい腹痛、発熱、嘔吐などの症状が特徴です。
4日~6日程度の潜伏期間があります。
1週間くらい経過して発病しなければ大丈夫です。
ただ症状が2~3週間続くこともあります。
「無菌豚」には菌がいないという幻想
いわゆる「無菌豚」には菌がいないので生肉が食べられる、と思われている方もおられると思います。
「無菌豚」とはクリーンルームなどで育てた特別の豚と言うことになりますが、実験などでしか無菌豚は実現しません。
食肉として一般流通している豚は「無菌豚」ではないということです。
トンカツなど断面がまだ赤々としているようなものはNGで、生食はレバーも含めてNGと言えます。
「SPF豚」とは「無菌豚」とは違うのか?
「SPF豚」とは「Specific Pathogen Free 豚」の略です。
特定の病原菌を持たない豚と言う意味です。
SPF豚は自然環境下で飼育されています。
比較的清潔な環境で育てられるので、特定の病原菌は持っている可能性は低いですが一般的な金は持っています。
加熱して食べる必要があります。
「SPF豚」は「無菌豚」ではなく、言うならば「健康豚」です。
しかし、流通の過程度一般的な豚肉とSPF豚肉が同じまな板でさばかれることもあるため特定の病原菌や寄生虫を持ていないとは言い切れない。
そういった意味でも、豚肉は必ず加熱調理してから食べる必要があると言えます。
その点ハムは安全♪