梅、梅干し、梅漬けの賞味期限について考える前に、それぞれがどう違うのか考えてみます。
梅や梅干しはよく聞きますが、「梅漬け」ってあまり馴染みがありません。
ところが実は・・・意外なことが分かりました。
まずは、「梅」「梅干し」「梅漬け」の違いについて確認したいと思います。
梅の木になる実のことです。
「梅の実」とも言います。
順番は違いますが、梅漬けについて。
梅を調味液につけたものが「梅漬け」です。
最近スーパーで売られているもののほとんどがこの「梅漬け」です。
「梅干し」には実は2種類あります。
どちらも「梅干し」なのですが、違うものだと思った方がよさそうです。
1つは伝統的な梅干し。
材料はいたって簡単で、梅の実、塩、紫蘇(しそ)以上。
瓶や樽に入れて、塩を入れます。
塩分濃度は最終的に20%以上になります。
色付けのために紫蘇を入れます。
漬かった梅は、それで完成ではなく、ざるなどにあげて、天日干しします。
天日干しするから「梅干し」だったのです。
伝統的な梅干しは、塩分濃度約18%以上でクエン酸もあり、腐りにくいです。
常温で保存しても腐らないので、100年以上持っている例もあります。
最古の梅干しは天正4年(1576年)の梅だと言われています。
ただ、こちらは食べたらなくなってしまい、補充できないため食べていないのだとか。
塩分濃度が高く、クエン酸の働きもあって、賞味期限は事実上ないと言ってもいいでしょう。
もう一つの梅干しは、スーパーなどで売られている梅干しです。
この梅干しは、実は調味液につけた「梅漬け」です。
干したりはしません。
「調味梅干し」と呼ばれていることもあります。
保存料や調味料が入っていて、塩分は5%~8%程度です。
塩分濃度が低いと腐ってしまうため、冷蔵庫での保存が必須です。
賞味期限もあります。
スーパーで売られている梅干しの中には、途中まで伝統的な梅干しの作り方をする物もあります。
塩と紫蘇で梅の実を漬け、ある程度漬かったところで塩抜きします。
水に入れて洗うと考えてください。
その後、調味液に漬けるのです。
こちらも厳密にいうと梅漬けの様な気もしますが、「梅干し」として売られています。
梅の実の賞味期限は、概ね2週間程度です。
梅漬け、調味梅干しの賞味期限は、概ね3か月~6か月です。
物によっては2週間と言うものもありますので、ご注意ください。
伝統的な梅干しは賞味期限がないと言われています。
ジャムは糖度によっては賞味期限がありません。
それと同じように、塩分濃度が一定以上の梅干しは賞味期限がないのです。
[icon image=”arrow2-r”] ジャムの賞味期限
梅の実の賞味期限は賞味期限と同じく、概ね2週間程度です。
梅の実自体は生鮮食料品なので、本来は賞味期限はありません。
ここでは参考の期間としてお知らせしています。
梅漬け、調味梅干しの消費期限は賞味期限と同じく概ね3か月~6か月です。
商品によっては2週間程度のものもあります。
伝統的な梅干しの消費期限は、無いと言えます。
常温保存で100年以上、日持ちしている梅干しもあるほどです。
梅の実は常温保存に向きません。
ほんの数日で追熟して赤くなってきてしまいます。
梅漬け、調味梅干しは常温保存に向きません。
伝統的な梅干しは、常温保存可能です。
梅の実は冷蔵保存が必要です。
冷蔵庫内では乾燥しないようにして、タッパーや袋に入れて保管しましょう。
一度冷蔵庫に入れると追熟が止まります。
梅漬け、調味梅干しは冷蔵が必要です。
保存料が入っているものもありますが、冷蔵したほうが日持ちします。
伝統的な梅干しは、冷蔵保存不要です。
冷やした梅干しが好きな場合は、冷やして食べてください。
梅の実は冷凍可能です。
ただし、冷凍すると食感など劣化します。
一方で、エキスは出やすくなるので梅酒や梅ジュースを作る際は便利だと言えます。
梅干しを作る場合は、冷凍するのではなく早めに漬けてください。
賞味期限切れの場合は問題なく食べることが出来ます。
「賞味期限」と言う物はメーカーが保証するおいしく食べられる期間です。
賞味期限切れ後は風味が落ちる可能性がありますが、食べることは可能です。
ただし、保存方法は表示の正しい方法で保存されている必要があります。
梅干しの賞味期限が切れた場合、カビが生えてきます。
腐ってしまっても元々酸っぱいので判断が難しいです。
伝統的な梅干しは消費期限がありませんので、長期間食べることができます。
おいしく梅干を食べるためには、炊き立てのご飯と相性が良いです。
おかゆなどとも相性が良いです。
梅の実の賞味期限は、2週間程度です。
常温だと追熟して青梅がすぐに赤くなってきてしまいます。
冷蔵庫に入れると追熟が止まります。
梅を調味液に漬けた「梅漬け」「調味梅干し」は減塩な上にクエン酸が少ないので劣化します。
賞味期限は概ね3か月~6か月です。
伝統的な梅干しは、約18%以上の塩分濃度と十分な量のクエン酸があるので賞味期限がありません。