あっさりと食べられるお蕎麦ですが、色々な種類があるというのをご存知ですか?
乾麺、生麺・・・などではなく、更科とか二八蕎麦とか。
それぞれの違いをきちんと説明できる人は少ないみたいです。
うんちくとして覚えておいて、必要な時に答えられるようにしておきたいものです。
更科(さらしな)は、一般的に、白く細い蕎麦のことを言います。
そばの実を引くとき、石臼を使うと構造上そばの中心部から粉になって出てきます。
実の外側は黒いため粉も黒くなってきます。
更科はその初めの方の粉のみで打つ蕎麦のことです。
粘りがなく、通常つなぎを使います。
その名の通り、蕎麦粉を10割使って打つ蕎麦のことです。
水と蕎麦粉以外を使わずに蕎麦を打つので、これが技術的にかなり難しいです。
通常は蕎麦を打つときはつなぎを使います。
つなぎがあるからまとまるので、広げることもできるし、切ることもできます。
つなぎがないとまずまとまりません。
それをつなぎなしでまとめて、広げ、切るので技術が必要で、熟練が必要です。
その後の扱いも気を使う必要があります。
切ったそばを持ち上げただけでぶつぶつと切れてしまいます。
打った後のそばをゆで釜に入れるだけでも技術を要します。
つなぎを使う二八蕎麦に比べ風味は強く、蕎麦喰いの間では珍重されます。
それは、10割蕎麦を置く店が少ないからです。
技術的に難しい分、費用も高くなるうえに、どこでも置いているわけではないのでさらに高くなります。
さらに、風味も良いので人気も高いです。
「10割蕎麦を置いている」と言うだけでそのお店の蕎麦打ち技術をアピールすることもできるのです。
上記で出てきた二八蕎麦は、粉の割合を示しています。
うどん粉2割、そば粉8割の蕎麦です。
通常「手打ち蕎麦」と言うと、この二八蕎麦を指します。
二八蕎麦はつるつるしこしこと言う食感で、そばの風味を感じられ、かつのど越しもいいので人気です。
2割のつなぎが入るので、蕎麦が打ちやすくなります。
田舎蕎麦と言うと、更科蕎麦の対極にあり、洗練された都会的なイメージの更科蕎麦の反対、つまり田舎的な蕎麦と言うイメージですが、実はそれは間違いです。
田舎蕎麦とは、黒くて太い蕎麦の総称で、それ以上の定義自体がありません。
皮の部分を使うと黒くなるのですが、何割くらい入る必要があるなどの決まりもありません。
つなぎを使う、使わないも自由で、蕎麦粉・うどん粉の割合も決まっていません。
「太い」と言う唯一ある定義も何ミリ以上と言う決まりはなく、一般的な蕎麦よりも太いという程度です。
いうならば、「言ったもん勝ち」が「田舎蕎麦」と言えます。