カレーの安全な保存方法を徹底的に調査した結果
「カレーは2日目がおいしい」と言われています。
これは本当なのかと言う話は、その理由を調査しました。
その上で、安全で最適なカレーの保存方法をお知らせします。
カレーは2日目がおいしい理由
2日目のカレーはなんだか口当たりが良いように感じます。
これには理由があります。
まずは、「カレーのおいしさの秘密」を知っておきましょう。
カレーは、煮込むと、野菜からエキスが出ます。
そのエキスが肉やカレールーに溶け込み旨みに代わります。
煮ものでも味がしみるのは、加熱時ではなく、冷める時なのです。
そのため、作ったカレーを一旦冷まして、再度過熱した方がおいしいカレーになるのです。
だから、1日目よりも2日目の方がエキスが出て旨みになるのです。
間違えた隠し味
「りんごと蜂蜜」とか、「ウスターソース」とか、これらを入れるとカレーがおいしくなると言う俗称は一理あります。
りんごには果汁があります。
ウスターソースには、材料の中に野菜があります。
これらを入れることで、煮込み時間が短くても、野菜を煮込んだような効果があるというわけです。
しかし、間違えた隠し味と言うのもあります。
「ケチャップ」、「チョコレート」、「インスタントコーヒー」、「料理酒」、「コンソメ」、「牛乳」、等々隠し味でカレーがおいしくなると言われているものがありますが、実は間違いです。
明確に「間違い」と言えるのには明確な理由があります。
実は、市販のカレールーに秘密があります。
美味しいカレーの作り方
各カレールーのメーカーは、日々最適なカレーのスパイスの調合を研究しています。
各商品はそれだけで「ちょうどいいバランス」、「最適なバランス」で製品化します。
リンゴや蜂蜜が必要な場合は、既に入っているのです。
ルーの中に入れられないようなものがあった場合、裏面の「作り方」や「原材料」に書かれているのです。
それを含めた実にたくさんの材料、組み合わせで最適に調整されています。
そこに、主婦が意図もなく、何か追加するということは、そのバランスを崩すことにしかならないのです。
もっとコクがあるカレーが良い場合は、次回からもっとコクがあるカレーのルーを買うのが最適。
もっと辛いカレーが良い場合は、次回からもっと辛いカレーのルーを買うのが最適。
もっとスパイシーなものが好みの場合は、次回からもっとスパイシーなカレーのルーを買うのが最適、と言うわけです。
危険なカレーの保存方法
カレーは鍋で煮込みますので、ほとんどの一般細菌は死滅します。
普通の細菌は、75度以上で1分以上の加熱で死滅することが分かっています。
カレーやシチュー、スープの場合に注意しないといけない菌があります。
それが「ウェルシュ菌」です。
常温保存が危険な理由
ウェルシュ菌は、元々、土の中や水中などの自然界に広く存在しています。
だから、土の中で育つジャガイモやニンジンなどの根菜類に付着している事があります。
また、牛や豚、鶏などの動物が保菌していることもあります。
これらはカレーの材料として定番のものばかりです。
ほとんどの場合、ウェルシュ菌は調理過程の加熱で死滅します。
ところが、一部のウェルシュ菌は、生き延びるために「芽胞」という殻を作ります。
言うならば、バリアーです。
芽胞と言うバリアーの中で休眠状態のウェルシュ菌は、カレーが冷めるとバリヤーを脱いで活動を再開します。
常温保存で置いておくと、ウェルシュ菌が爆発的に増殖してしまい、食べるときには食中毒になってしまうという訳です。
安全で最適なカレーの保存方法
ウェルシュ菌がカレーにとって恐ろしいことは分かりました。
カレーをひと晩寝かせる場合は、以下のようなことが必要です。
- 室内に鍋のまま放置しない
- 粗熱が取れたら冷蔵庫に保存する
- 食べる前には必ず再加熱する
粗熱が取れたら、鍋ごと冷蔵庫に入れます。
鍋が大きくて冷蔵庫に入らない場合は、タッパーなどに入れて冷蔵庫で保存します。
カレーを長持ちさせるために
カレーを長持ちさせるためには、冷凍保存が最適です。
1日~3日間くらいならば、冷蔵保存で十分です。
食べる直前に加熱して食べます。
カレーを冷凍する場合は、いくつかポイントがあります。
その一つが、「ジャガイモ」です。
ジャガイモは、冷凍することで中の細胞が壊れます。
解凍した時に、ジャガイモ自体が崩れてしまいます。
味は良く染み出るでしょうが、食感が悪くなってしまうので、冷凍する前にジャガイモだけ取り出してしまうか、元々小さく切って料理しましょう。
たったこれだけで、カレーを冷凍して、長期保存することができます。