【冷凍保存の基礎知識】冷凍焼けとは?意外と間違えている人が多い

「冷凍焼け」と言う言葉を聞くことが比較的多くありますが、「冷凍焼け」を正しく説明できる人は意外なほど少ないです。

聞く方も話す方も正しく「冷凍焼け」を理解していないので、予防も対策も取れないことがほとんどです。

このページで正しい「冷凍焼け」をご紹介し、原因と対策をお知らせします。

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「冷凍焼け」とは

冷凍期間が長いと、見た目も味も落ちてしまう現象のことです。

「油焼け」と言っているサイトもあります。

冷凍焼けの基本

サイトによっては、水分が表面に付いて白くなることだと説明しているものがあります。

しかし、それは、単に水分が付いて白くなっているだけで、冷凍焼けではありません。

 

そもそも、表面にわざと水分を付けて、冷凍するのは、乾燥や酸化を防ぐ手法で「グレーズ」と言います。

冷凍焼けの原因

グレーズは、凍っていたら表面に水分が付くのではなく、食材を冷凍して、表面に水分を付け、また冷凍して・・・と繰り返し、表面に氷の薄膜を付けていくのです。(グレージング作業)

 

冷凍焼けの原因

冷凍焼けは、凍った食材から水分が抜けていくことで、たんぱく質や油分が変質していくので、味や食感が悪くなるのです。

冷凍しているので、水分が溶け出たりはしません。

昇華と言う現象で、固体からいきなり気体になります。

ドライアイスが分かりやすい例で、個体がいきなり気体になります。(ドライアイスの液体は日常生活では見かけません。)

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冷凍した食材から、水分だけが抜けていく現象、それが「冷凍焼け」の正体です。

 

サイトによっては、冷凍庫のドアを開けないようにして、冷凍焼けを防ぎましょう、と書いてありますが、これは間違いとなります。

冷凍焼けは、たんぱく質や油から水分が抜け、酸化していくことなので、ドアを一度も開けなくても「冷凍やけ」は起こります。

 

「冷凍焼け」の対策

パッキング

「冷凍焼け」の対策としては、空気に触れさせないことです。

フリーザーバッグに入れて冷凍する場合を考えると、フリーザーバッグ内の空気を出来るだけ抜いて、ピチピチにすることです。

冷凍焼けの対策

 

冷凍時間

ゆっくり冷凍する「緩慢冷凍」の場合、食材内の水分は大きく成長して、食材の細胞壁を壊します。

空気の逃げ道が多くなるので、「冷凍焼け」しやすくなります。

冷凍時間は出来るだけ早く、急速冷凍することが、「冷凍焼け」の防止方法となります。

 

「冷凍焼け」したものは食べられない?

「冷凍焼け」したものは、たんぱく質や油が変質しただけなので、食べられないことはありません。

ただ、味はかなり落ちているので、正直あまりおいしくはないです。

 

家庭の冷凍庫ではどのくらい冷凍保存できる?

家庭用冷凍庫では、約1か月くらい食材を保存できます。

半年、1年と冷凍すると冷凍焼けを起こしてきます。

もちろん、環境によって異なりますので、あくまで目安とお考え下さい。

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